7月29日(金)は、箱館奉行所が2010年に開館して12周年の記念日でした。記念事業として、大広間におきまして「アイヌの歌と踊り」を開催いたしました。
NPO法人民族歌舞団こぶし座の皆さんによる、アイヌに伝わる伝統的な弦楽器「トンコリ」の演奏や、祖先からの言い伝えを意味する「ウパシクマ」、竹で作られたとても小さな楽器で口にあてて口腔で音響させる「ムックリ」の演奏、観覧者と一緒に「ウポポ」を歌い、最後は親子ヅルの踊り「フントリ フンチカプ」が披露され、多くの拍手をいただき好評裏に終了いたしました。アイヌの伝統文化を楽しく学ぶことができたひと時でした。
コロナ禍の影響で今回は整理券での観覧者限定30名と、間隔を空けての少ない着席数で開催しました。一日も早いコロナ感染の終息を願うばかりです。
また、ご来館先着100名様への「オリジナルポストカード」プレゼントは、開館後90分ほどで終了する盛況ぶりで、スタッフも涼しげな浴衣でお出迎えし和の雰囲気を演出しました。
この日はお天気も良く、大広間へは清々しい風が吹き込んでいました。一日を通して多くの方が来館され、箱館奉行所の風景を楽しんでいただけた様です。
本年は、「五稜郭跡」が国の特別史跡指定を受けて70周年という節目の年でもあります。
今回の公演は、箱館奉行所が五稜郭に移転した当時に起きた外国人によるアイヌ人骨盗掘事件を、箱館奉行小出大和守秀実が粘り強い交渉により解決に導いた歴史背景、また明治時代の北海道を舞台にアイヌ文化が丁寧に描かれている漫画「ゴールデンカムイ」が、全国の若い世代を中心に人気を呈していること、そしてアイヌの精神性が、年々話題性が高まる「SDGs」の掲げる課題解決にまさに符合するなどを鑑み、計画実施に至りました。
こぶし座の皆様、心にそっと触れられるような素晴らしい公演、ありがとうございました。