2023年7月アーカイブ

7月22日(土)、土方歳三資料館館長土方愛さんをお迎えし、「土方歳三資料館館長がやってくる!石田散薬製造体験会in五稜郭」を開催いたしました。
クライマックスの舞台が五稜郭の漫画の展覧会の函館開催に合わせ、ファンの方に楽しんでいただく企画のご相談を、昨年秋、土方館長にしたところ、この体験会のご提案をいただき実現することができました。
作中で、土方歳三が「若い頃に薬売りをしていた経験が役に立つとは」というセリフでピンチを脱するシーンがありますね。これは石田散薬のことですから、これ以上ぴったりの企画はありません。

会場は、兵糧庫内に設けた特設石田散薬製造所。兵糧庫は箱館奉行所が建てられた1864年ごろに建てられ、1891年の解体を唯一免れた建物で、二度の解体修理を行い現在の姿になっています。箱館戦争当時、土方さんも中に入ったかも。例年8月一ヵ月のみ公開していますが、今年は「ゴールデンカムイ展函館会場」の開催時期に合わせ、7月22日~9月10日までの公開です。

この兵糧庫で10時から13時まで、土方愛館長と日野宿本陣文書検討会の市川三千代さんのご指導の下、江戸時代と同じく薬研を使い製造する体験に106人のご参加をいただきました。

日野市の土方歳三生家より、石田散薬製造に係る道具や材料一式がはるばる海を渡ってこの蝦夷地(北海道)までやってきました。
4台の薬研にそれぞれ「土方」「歳三」「永倉」「新八」と名前を付け、参加者の皆様に同様の名前を書いたネームホルダーをお渡しし、順番がわかるように工夫いたしました。

写真提供:土方愛様 杉村和紀様
写真提供:土方愛様 杉村和紀様

「本日は、石田散薬作りの一番楽しいところを体験していただきます!」と土方愛館長の号令で作業開始。

写真提供:土方愛様 杉村和紀様

黒焼きされたミゾソバ(牛額草)を薬研に入れゴリゴリ!

次の順番の参加者が、薬研が動かないように向かい側でしっかり押さえます。二人一組で力を合わせての共同作業です。
先ほどまでは知らない同士でも、「推し」が同じみなさまですから、すぐに打ち解け、和気あいあいと楽しそうにそして真剣に作業されていました。

数分で粉状に変わったミゾソバを薬包紙に包み、歳三さん印の薬袋に入れて完成!
できた石田散薬は記念にお持ち帰りいただきました。

前日からの会場準備に永倉新八ひ孫の杉村和紀さんもご協力下さり、あっという間にステキな写真撮影コーナーが完成。当日も参加のみなさまとの記念撮影に快く応じていただくなど、お力添えをいただいたおかげで、順番待ちの時間も楽しんでいただけたようでした。

写真提供:土方愛様 杉村和紀様
写真提供:土方愛様 杉村和紀様

また、お土産として、ご子孫お二人から印をお借りして押印し、通常はお入れしていない日付を入れた特製「御城印」をお渡ししました。喜んでいただければ幸いです。

企画のご提案と準備、ご指導など多大なご協力をいただいた土方歳三資料館館長土方愛さま、事前に材料準備から当日の薬包紙包などの指導をしていただいた市川三千代さま、材料の下準備をしていただいた日野宿本陣文書検討会のみなさま、前日・当日とホスピタリティーあふれるおもてなしをしていただいた杉村和紀さま、そして、北海道から九州熊本まで14都道府県からご参加下さったみなさまに、心よりお礼申し上げます。
ありがとうございました。

◆◆◆アンケートに寄せられたご感想の一部です◆◆◆
★毎回日野で開催される度に行けなくて残念な思いをしていたので、北海道で開催されたことに感謝します!
★長年ずっと参加したかった内容だったので、念願かなってうれしかったです。
★実際に体験出来て薬づくりが大変なことがわかりました。また参加したいです。
★貴重な体験が出来てとても楽しかったです。
★作ったお薬は家宝にします。
★江戸時代の薬の作り方を学べて楽しかった。土方さん、永倉さんに以前よりも親近感がわきました。
★二人一組で和やかにできたのが、とても良かったです。
★写真撮影の声をかけていただいてありがたかったです。
★フレンドリーに子孫の方が接してくれてうれしかったです。
★とても楽しかったです。
 まだまだたくさんご感想をいただきましたが、ご紹介しきれないことをお許しください。

7月29日(土)箱館奉行所開館記念日のお知らせ

【民謡上演】

剱地陽子さんの社中による民謡上演をいたします。

歌詞に地名が出てくる「道南口説き節」など道南・函館の民謡を中心に

全国に4人しかいない道南口説き節名人位のうちのお二人が唄ってくださいます。

三味線、尺八の生演奏でお楽しみください。

地元の方々にもお聞きいただきたい選曲となっておりますので、この機会にぜひ、

箱館奉行所へお越しください。

【日 時】令和5年7月29日(土) 午後1時30分から(30分程度)

【場 所】箱館奉行所大広間

尚、上記時間帯は通常のご入館・ご見学いただくお客様をお迎えしながらの上演となりますので、ご着席は開始時刻の15分前からといたします。

※専用駐車場はございませんので、公共の交通機関をご利用下さい。

皆様のご来館を心よりお待ち申し上げます。

特別史跡五稜郭内『兵糧庫特別公開』のご案内

今年も箱館奉行所向かいの兵糧庫を特別公開(無料)いたします。

そして、例年は8月のみ1ヶ月間の無料公開でしたが、今年は期間を拡大して、

7月22日(土)~9月10(日)まで計51日間無料公開致します。(期間中は無休)

7月22日(土)のみ 午後1時~午後3時まで

7月23日(日)~9月10日(日) 毎日午前10時から午後3時まで

『兵糧庫は、1864(元治元)年の箱館奉行所建設に併せて土蔵として建てられました。その後、五稜郭が箱館戦争時に使用され、いつしか「兵糧庫」と呼ばれるようになったとされています。 箱館奉行所は1871(明治4)年に解体されましたが、その後も土蔵の兵糧庫は残され、外観は板壁に変更となり、 大正時代には「懐旧館」という箱館戦争の資料館として使用されました。 この後も兵糧庫は、五稜郭跡内の建造物として存続していましたが、 老朽化が著しくなったことから、1973・1974(昭和48・49)年に兵糧庫の解体修理、 2001・2002(平成13・14)年に保存修理(庇屋の一部復元)を行いました。』

兵糧庫は夏季限定の公開ですので、この機会にぜひお越しください。

なお、専用の駐車場はございませんので、お越しの際は公共交通機関をご利用ください。

6月24日(土)14時から大広間において、札幌在住のノンフィクション作家合田一道氏をお迎えし歴史講座「歳三・武揚 箱館戦争を戦う」を開催いたしました。

箱館戦争に至る前の二人のお話しや、土方歳三が読んだ俳句集「豊玉発句集」の紹介もあり、参加された皆様は、熱心にメモをとり、真剣な面持ちでうなずきながら聞いていらっしゃいました。

講演時間の40分があっという間に過ぎ、大きな拍手でお開きとなりました。

皆様からは「素晴らしい内容、歴史への愛情あふれるお話でした」「仙台での二人の出会いですっかり引き込まれました」「初めて知ることなどでとてもよかった」「もっと聞きたかった」等の感想が寄せられたほか、今年は人数制限の必要がなくなったため予約なしの自由参加としたころ、翌日開催の函館マラソンで来訪されたお客様も参加することができ、とてもうれしかったとのお喜びの声もいただきました。

講座終了後は、土方歳三など幕末の志士たちと北海道開拓をめぐる22の物語を収録した著作本『夜明けの海鳴り~北の幕末維新』のサイン会もお休み処いたくら柳野で行い、お話をうかがった後の感動冷めやらぬ皆様が列を作っておりました。

おかげさまをもちまして、講座もサイン会も盛況裡に終了することができました。

講師の合田一道氏をはじめ、ご参加の皆様に心から感謝申し上げます。

箱館奉行所は、箱館戦争時に旧幕府脱走軍の本拠地となった場所。旧幕府脱走軍の慰霊の日である碧血慰霊祭(6月25日)の前日に、この場所で、ゆかりの土方歳三と榎本武揚のエピソードをうかがい、皆様には当時に思いを馳せていただけたのではないでしょうか。

※合田一道氏サイン本は数量限定でお休み処いたくら柳野にて7月いっぱい販売しております。

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