箱館奉行所 開館11周年の記念日事業が終了しました

7月29日(木)は、2010年にオープンした箱館奉行所の開館11周年の記念日でした。

記念行事として、大広間では、函館出身のシテ方 金春流 能楽師 柏崎真由子氏による「能楽体験講座」を開催致しました。本来は、開館10周年の記念事業として昨年開催予定でしたが、新型コロナウィルス感染症拡大の影響により1年延期し、感染防止の観点から、午後1時からと3時からの2回に分け、予約制の形で2回合わせて約50名様ご参加いただいての開催となりました。

最初に、世界最古の演劇と言われる「能楽」の歴史と、福を呼ぶ「高砂」の世界についてお話いただきました。高砂の松(兵庫県)と住の江の松(大阪府)が「相生の松」と呼ばれ、距離は離れていても心はつながっている夫婦愛や、松は常緑であることから長寿のめでたさを表すこと、また、「松」は「待つ」に通じ神様を待つ意味もあるなど、わかりやすく解説していただきました。

また、奉行所の南庭に幕末に植えられた赤松が佐渡由来ということと、能楽の大成者である世阿弥が一時期佐渡に居たことがあるということから、箱館奉行所と能楽とのご縁を感じるとのお話もありました。

解説の後、国立能楽堂で演じられた実際の「高砂」の一部を映像で紹介いただきました。映像は、普段は開け放している奉行所大広間の大きな無地の襖4枚を閉めた上に投影。江戸時代を復元した和の空間に映し出された能の舞と謡・囃子の調べによって、会場は厳かで清らかな空気に包まれました。

その後、柏崎さんご本人による高砂の一場面の「謡」と「仕舞」が披露され、映像とは違う生の圧倒的迫力の謡と凜とした美しい舞に大きな拍手が送られました。

後半は体験コーナーです。希望者に、能面をつける際の所作、つけると視界が狭いことから歩くと自然とすり足になる事などを体験してもらいました。「まるで東京タワーの上を歩いている感じ」と足元が見えずに歩く怖さへの感想が聞かれました。能面はわざと無表情に作られていて、角度によって喜びや悲しみを表現することも学びました。

次は参加者全員で能の基本的な型である「カマエ」から「悪を払い、福を抱く」動きを体験し、最後は質疑応答でお開きとなりました。

「謡」の体験が、発声を伴うため今回はできませんでしたが、参加された方々からは、「とてもわかりやすかった」「柏崎さんの舞が素敵でした」「みんなで実際に動いてみて楽しかった」などの感想をいただきました。

講演いただいた柏崎真由子様には昨年から多大なるご配慮とご協力をいただき、心から感謝申し上げます。また、参加いただいたお客様はじめ関係各所の皆様にご協力いただいたおかげで無事開催することができました。改めまして、皆様に深く感謝申し上げます。

ほかにも記念行事として、浴衣姿のスタッフがお客様をお迎えし、入館先着100名様へ箱館奉行所オリジナルポストカードをプレゼント、午前中は大広間にて折り紙教室を開催し、函館市の魚である「イカ」の折り紙をお客様に楽しんでいただきました。

皆様のおかげで、開館11周年を迎えることができました。幕末の箱館の歴史、日本の伝統的建築様式、和の文化を楽しめる箱館奉行所をこれからもどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

 

 

 

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