箱館奉行所見どころガイド第2回目は,格式の高い玄関入り口付近の様子を紹介します。
箱館奉行所の玄関は,奉行の交代時など特別のときに使用された格式の高い場所だそうです。
そんなこともあって,玄関上の千鳥破風屋根上の鬼瓦には葵文の家紋が付き,箕甲(みのこ)の軒丸瓦にも葵文が付いています。ご入館前に,ぜひご確認ください。
玄関式台上,千鳥破風屋根の下には,柿葺き(こけらぶき)の霧除庇(きりよけひさし)が見られます。
玄関・内玄関式台上庇の柿葺きは,腐食防止のため銅板を葺いた上に,厚さ3㎜ほどのスギ赤身手割材を専門の職人が竹釘で止めたものです。
この庇を支えている丸太材は,現在手に入る最高のものとして,京都北山杉の磨き丸太を使用しています。また,几帳面という面取りを施した太さ9寸(27㎝)に近い木目の見事なケヤキの柱もぜひ確認のうえご入館ください。
箱館奉行所外部に見られる白い壁は,竹小舞(たけこまい)という割竹の下地に漆喰(しっくい)を磨くように塗り上げたものです。
玄関式台を3段上がった階段の上には舞良戸(まいらど)といわれる,漆塗り框(かまち)が付いた杉板張りの見事な戸が入っています。杉板の表側には舞良子(まいらこ)とよばれる棧が奇数本付いているのも舞良戸の特徴になるそうです。
この舞良戸の上の鴨居は,差鴨居(さしかもい)といわれる,これも見事なケヤキ材のものが使われています。
今回の見どころガイドの内容が確認できる画像は,フォトライブラリーでご覧ください。